業務委託契約書のリスクとチェックポイント|フリーランス・企業双方が注意したいポイントを解説
更新日:8月7日

業務委託契約書とは、企業が外部の個人や法人へ業務を依頼する際に締結する契約書です。近年はフリーランスや副業人材の増加により、業務委託契約を利用するケースが増えています。
しかし、契約内容が曖昧なまま業務を開始すると、報酬や納期、成果物の権利などを巡ってトラブルになることがあります。
特に業務委託契約では、雇用契約とは異なり、業務範囲や責任分担を契約書で明確に定めることが重要です。フリーランス側・企業側の双方にとって、契約書はトラブル防止のための重要な書類といえます。
雇用契約書について詳細は、「雇用契約書の作り方完全ガイド|ひな形・注意点・行政書士に依頼すべきケース」で解説しています。こちらもぜひご覧ください。
契約書の一般的な注意点について詳細は、「契約書作成・チェックのポイント|行政書士に依頼するメリットと費用相場」で解説しています。こちらもぜひご覧ください。
業務委託契約で起こりやすいリスク・トラブルとは
業務委託契約では、以下のようなトラブルが発生することがあります。
報酬の未払い・支払い遅延
業務範囲が曖昧で追加作業が発生する
修正依頼が際限なく続く
成果物の著作権トラブル
情報漏えい
一方的な契約解除
例えば、Web制作や翻訳、ライティングなどでは、「どこまでが契約範囲なのか」が曖昧なまま進行し、追加対応を巡ってトラブルになるケースがあります。
また、契約書に著作権の扱いが明記されていない場合、成果物の利用範囲について後から問題になることもあります。
このようなトラブルを防ぐためには、契約締結前に内容を十分確認することが重要です。
フリーランス側が確認したいチェックポイント
報酬・支払条件は明確か
報酬額だけでなく、支払日や支払方法、検収条件まで確認しておくことが重要です。
例えば、「納品後翌月末払い」なのか、「検収完了後支払い」なのかによって、実際の入金時期が大きく変わる場合があります。
また、追加作業が発生した場合の費用についても、事前に定めておくとトラブル防止につながります。
業務範囲・修正対応は明確か
「どこまで対応するのか」が曖昧だと、想定外の業務負担が発生する可能性があります。特に制作業務では、修正回数や対応範囲を契約書に明記しておくことが重要です。
例えば、「修正は2回まで」「大幅な仕様変更は別料金」など、具体的に定めておくことで認識のズレを防ぎやすくなります。
著作権・成果物の扱いはどうなるか
成果物の著作権が誰に帰属するのかは、重要なポイントです。
納品と同時に著作権が発注者へ移転するケースと、納品後も受注者に著作権が残るケースがあります。実績公開の可否などにも関わるため、事前に確認しておく必要があります。
契約解除条件に問題はないか
一方的に即時解除できる内容になっていないかも確認したいポイントです。例えば、「発注者はいつでも解除可能」といった条項がある場合、作業途中で契約終了となるリスクがあります。中途解約時の報酬精算についても確認しておくと安心です。
企業側が確認したいチェックポイント
業務内容・納期は明確か
企業側としても、依頼内容や納期を具体的に定めることが重要です。内容が曖昧だと、成果物の品質や納期について認識のズレが生じやすくなります。
トラブル防止のためには、仕様や成果物の内容を可能な限り具体化しておくことが望ましいでしょう。
情報漏えい対策・NDAは必要か
業務内容によっては、機密情報を取り扱うケースがあります。その場合は、秘密保持契約(NDA)を締結し、情報管理に関するルールを明確にしておくことが重要です。特に顧客情報や未公開情報を扱う場合は、事前の対策が欠かせません。
成果物の権利帰属は明確か
成果物を自由に利用したい場合は、著作権や利用権について契約書で定めておく必要があります。契約内容によっては、企業側が自由に改変・再利用できないケースもあるため注意が必要です。
偽装請負リスクがないか
業務委託契約であっても、実態が「雇用」に近い場合、偽装請負と判断される可能性があります。例えば、勤務時間や業務方法を細かく指示している場合などは注意が必要です。業務委託契約では、指揮命令関係にならないよう運用面にも配慮する必要があります。
英文の業務委託契約書で注意したい条項
海外企業との契約では、英文契約書が用いられることがあります。英文契約書では、以下のような条項に注意が必要です。
indemnity(補償条項)
limitation of liability(責任制限条項)
governing law(準拠法)
jurisdiction(裁判管轄)
特に indemnity (補償条項)では、想定以上に広い責任を負う内容になっているケースもあります。英文契約書は日本語契約書と考え方が異なる部分もあるため、内容を十分確認したうえで締結することが重要です。
英文契約書については、「英文契約書とは?基本構造と和文との違い」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
外国人材を扱う場合、業務委託ではなく雇用したいと思う場合もあります。外国人雇用については、「外国人雇用の手続き完全ガイド|採用前から就労開始後まで企業がやること」でも詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
業務委託契約書の作成を専門家に依頼するメリット
業務委託契約書は、内容によって大きなリスクにつながる可能性があります。特に著作権・秘密保持・責任範囲に関する条項は、慎重な確認が必要です。専門家へ作成を依頼することで、契約上のリスクや不明点をつぶし、安心して契約に臨むことができます。
また、相手方から業務委託契約書を見せられたときに、この内容で契約して自社に不利にならないか不安になることがあります。契約トラブルを防ぐためにも、行政書士などの専門家に依頼して、契約締結前に内容をチェックしておくことをおすすめします。
英文契約書のチェックはお任せください
英文契約書では、表現によって責任範囲が変わることもあり、日本語の業務委託契約書とはまた違った視点でのチェックが求められます。英文契約書の翻訳や内容理解で不明点がある場合は、お気軽にご相談ください。「この条項はどういう意味か」「この表現はどう解釈されるか」といった確認レベルのご相談でも対応可能です。
翻訳者の選び方と費用相場については「英文契約書の翻訳を依頼するメリットと注意点|失敗しない依頼先の選び方」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。



