外国人雇用は契約書だけでは不十分|在留資格との関係を解説
- May 26
- 4 min read

外国人雇用では、雇用契約書の内容だけではなく、その内容が在留資格に合致していることが必要です。具体的にはどのような点を確認すればいいのでしょうか?これから見ていきましょう。
外国人雇用について詳細は、「外国人雇用の手続き完全ガイド|採用前から就労開始後まで企業がやること」で解説しています。こちらもぜひご覧ください。
雇用契約書については、「雇用契約書の作り方完全ガイド|ひな形・注意点・行政書士に依頼すべきケース」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
契約書の一般的な注意点については、「契約書作成・チェックのポイント|行政書士に依頼するメリットと費用相場」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
外国人向け契約書は在留資格との関係に注意
重要なポイントは、契約書があれば、外国人を働かせられるのではないということ。在留資格との関係も見なければいけません。以下の点に注意すべきです。
在留資格ごとに「できる資格」が決まっている
外国人は日本人と違って、どのような仕事にも就けるわけではありません。在留資格ごとにできる仕事は決まっています。在留資格で許された仕事以外の仕事に就くことはできません。
在留資格と業務内容が一致している必要あり
たとえ契約書に業務内容を記載したとしても、それが在留資格と一致していなければ違法となります。例えば、「通訳」の在留資格を持つ人を採用したけれども、実際の業務が単純作業ばかりだったとしたらそれは一致していると言えません。
在留資格については「在留資格とビザの違いとは?外国人雇用で知るべき基礎知識」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
契約書は「万能」ではない
入管が見るのは契約書ではありません。実際の業務内容を見ます。ですから、契約書が契約書としての基準に適合していても、それが在留資格と一致していなければ意味がないのです。
不一致の場合の責任は会社側
契約書の内容が在留資格と一致していない場合、不法就労助長罪となります。これは会社側が処罰されます。さらに、不法就労助長罪が適用されてしまうと今後、在留資格の更新や変更の許可が下りづらくなります。企業リスクも懸念されます。
雇用契約書で特に注意すべき項目
雇用契約書で見るべき点は以下の4つです。
業務内容
業務内容が在留資格の範囲内か確認しましょう。名目ではなく、実際の業務内容で判断されます。
労働時間・報酬
労働時間は、就労系の在留資格ならフルタイムが前提となることが一般的です。報酬については日本人と同等以上にする必要があります。留学生の場合は時間制限があります。
契約期間
契約が更新されたからと言って、在留期間が更新されるわけではないので注意。両者は別物です。なお、在留期間が切れたら契約書の期間内でも就労できません。別途、在留期間の更新が必要です。
勤務地・配置転換
勤務地や配置がある場合は、変更後、どのような業務となるのか確認しましょう。前回申請した内容と異なる業務に就く場合は、違法となる可能性があります。
よくあるトラブル|契約書と在留資格の不一致
実務でよくあるトラブルをまとめました。
単純労働になってしまった
専門業務担当として就職したが、人手不足により、現場作業が中心の作業となってしまった。在留資格と不一致状態に。
留学生の資格外活動オーバー
繁忙期となったため、人が足りずに留学生を週28時間を超えて働かせてしまった。資格外活動許可の範囲外の状態に。
「技術・人文知識・国際業務」での業務ずれ
営業職と言いつつ、ただの販売スタッフとして従事させていた。本来専門性が必要な「技術・人文知識・国際業務」の在留資格と不一致状態に。
トラブルになるとどうなるか
不一致状態あるいは資格外活動許可の範囲外になってしまうと、在留資格の更新・変更が不許可になる可能性があります。不許可になると、外国人労働者は働けなくなります。その状態で働かせていると、企業側も処罰されるおそれがあります。
外国人雇用の契約書作成で企業がやるべきチェックポイント
契約書を作成する際は、以下の点を確認しましょう。
① 在留カード確認
✓偽造でないか?(偽造判定アプリあり)
✓就労可の在留資格か?
② 在留期限
✓期限切れでないか?
✓いつ切れるか?(その前に更新の必要あり)
③ 資格外活動許可の有無
✓資格外活動許可は受けているか?
✓労働時間は28時間以内に収まっているか?
④ 職務内容との適合性
✓在留資格と業務内容は一致しているか?(最重要)
②と③は在留カードに記載されています。
行政書士に相談すべきケース
外国人雇用では、契約書を作成するだけでは不十分で、在留資格との適合性の両輪が揃って初めて安全になります。業務内容によっては、どの在留資格が適切なのか、判断に迷うことがあります。また、初めて外国人を雇用する際は、ルールがわからないのでミスをしてしまいがちです。少しでも不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

