上限いっぱいではない「full」
- hanakan860
- Jul 17, 2023
- 2 min read
こんにちは。
暑い日が続いていますね。
昨日のニュースでは、猛暑が予想されるので、
日中は外に出ないでくださいと言ってましたが、
そうもできないですよね・・・
いろいろ予定もありますし・・・
私も日課の散歩をどうするか、考え中です。
さて、今回はfullの訳し方について、取り上げたいと思います。
Fullって、フルサイズとか、フルサポートとか、
ほぼ日本語になっていますよね。

なので、単語に対してなじみがあるという方も
多いのではないでしょうか?
そして、fullを日本語に訳すとき、
どう訳しますか?
おそらく、「すべての」とか「あらゆる」とかいった
訳がすぐに思い浮かぶのではないかと思います。
全部を内包しているイメージですね。
「フルサイズ」とか、「フルサポート」も、
そういう意味に訳せますよね。
フルサイズを用意しています!と言われれば、
すべてのサイズがあるんだろうな~と思うし、
フルサポートいたします!と言われれば、
何から何までサポートしてくれるんだろうな~と思います。
では、この訳はどうなるでしょうか?
Now you can address the full spectrum in your workflow.
↓
ワークフローの広範なニーズに対処できるようになりました。
これは例えば、新商品の解説文書なんかで
出てくるような文章ですね。
マーケティング文書というやつです。
そして、この場合のfull。
「すべてのニーズ」と訳したいところですが、
今回は「広範なニーズ」という訳語を当てています。

「すべてのニーズ」というと、1から10まですべて揃うイメージ。
「広範なニーズ」というと、あるカテゴリの中のものの
おおかたを含んでいるというイメージ。
「すべてのニーズ」が100%なら、
「広範なニーズ」は80~90%といったところでしょうか。
どうして「広範なニーズ」としたと思いますか?
もちろん、「すべてのニーズ」としても、
もちろん間違いではありません。
しかし何でしょう、ちょっと大きく出すぎというか。
それに、「すべての」としてしまうと、
今後の伸びしろを遮ってしまう感じがあります。
そのため、「広範な」としているわけです。
マーケティング文書では、
こういう書き方をすることが好まれる傾向があります。
あと、「すべての」というより、「広範な」というほうが、
字面としてかっこいいというのも、
もちろんありますね。
辞書を引いても、fullの訳語は「限度いっぱい」とか、
「満ち満ちた」みたいな訳語が上の方に出ていると思いますが、
敢えて辞書に逆らって訳語を当ててみる。
そうすると、対象となる領域にマッチする
訳文が出来上がります。
そう考えると、翻訳ってやっぱり面白いですね!