外国人雇用状況届出とは?提出義務・期限・罰則まで企業が抑えるべき実務ポイント
- May 5
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外国人を雇用するときはさまざまな手続きが必要となります。そのひとつが外国人雇用状況届出。この記事では、外国人雇用状況届出の概要、具体的内容、提出のタイミングや注意点について解説します。
外国人雇用については「外国人雇用の手続き完全ガイド|採用前から就労開始後まで企業がやること」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
外国人雇用状況届出とは
まずは、外国人雇用状況届出の概要について見ていきましょう。
制度の概要(なぜ必要か)
外国人雇用状況届出は、外国人の雇用状況を国が把握するための制度です。不法就労を防止するとともに、適正な雇用管理をするのが目的です。ハローワークを通じて行政に情報が共有されます。
根拠法令(雇用対策法)
企業は、外国人を雇用するとき、または外国人が離職したとき、届出をしなければいけません(根拠法:雇用対策法第28条)。届出はハローワークを通じて行います。
どの企業に義務があるか
外国人を1人でも雇用したら届出義務があります。正社員として雇用する場合だけではなく、アルバイトやパートも含みます。ただし特別永住者、「外交」「公用」の在留資格を持つ外国人は除きます。
外国人を雇ったら、ほぼすべての企業に外国人雇用状況届出の義務が課されます。
なお、その外国人が雇用保険被保険者となる場合は「雇用保険被保険者資格取得届」または「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出し、ならない場合は「外国人雇用状況届出書」を提出します。「雇用保険被保険者資格取得届」または「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出することで、ハローワークを通じて連携され、届出を行ったことになるので、あらためて「外国人雇用状況届出書」を提出する必要はありません。
雇用保険の加入条件
雇用保険は、以下の両方に該当する労働者が対象です。
・1週間の労働時間が20時間以上
・31日以上の雇用見込みがある
フルタイムで働く場合はおおよそ労働保険に加入することになりますので、実務においては、「外国人雇用状況届出書」よりも「雇用保険被保険者資格取得届」または「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出するのが一般的です。
届出のタイミング
雇用時の届出
雇用保険被保険者資格取得届…翌月10日まで
外国人雇用状況届出書…翌月末日まで
離職時の届出
雇用保険被保険者資格喪失届…翌日から起算して10日以内
外国人雇用状況届出書…翌月末日まで
それぞれで提出期限が異なることに注意。間違えないようにしましょう。
届出の具体的な内容
「雇用保険被保険者資格取得届」、「雇用保険被保険者資格喪失届」、「外国人雇用状況届出書」で共通となる内容について解説します。
届出事項
以下の内容の記載が必要です。その他、「雇用保険被保険者資格取得届」、「雇用保険被保険者資格喪失届」で一般的に必要とされる事項についても記載しましょう。
・氏名
・国籍
・在留資格
・在留期間(満了日)
・在留カード番号
・資格外活動許可の有無
在留カード情報の確認ポイント
届出は在留カードを確認しながら行うと便利です。在留カードにすべて書いてあります。その際、在留資格を見て業務内容と合っているか、在留期間を見て在留期限が切れていないか、就労不可の在留資格でないか、アルバイトで雇用する場合は資格外活動許可があるかどうかを確認しましょう。
在留カードについては「外国人雇用で必ず確認!在留カードの見方と就労制限のチェックポイント」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
ハローワークへの提出方法
書類ができたら次は提出です。ハローワークへの提出方法は、窓口提出、郵送、電子申請(e-Gov)のいずれでも可能です。
外国人雇用状況届出でよくあるミス
せっかく届出をしても、不備があったら再提出を求められてしまいます。出したら即OKではないので、きちんと確認してから出しましょう。外国人雇用状況届出でよくあるミスは以下の通りです。
在留資格の記載ミス
在留資格にはさまざまな種類があります。まぎらわしい名前もあるので、書き間違えないようにしましょう。
在留期間の記載ミス
在留期間は在留期限を記載します。何年間かという期間ではないことに注意しましょう。
資格外活動許可の見落とし
留学生をアルバイトで雇う場合は、資格外活動許可がある場合のみ、例外的に認められています。許可がないと働けないのでここも要チェックです。
留学生アルバイトについては「外国人をアルバイトで雇うときの注意点|企業が確認すべき4つのポイント」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
期限の勘違い
「雇用保険被保険者資格取得届」、「雇用保険被保険者資格喪失届」、「外国人雇用状況届出書」はそれぞれ提出期限が異なります。先述の「届出のタイミング」を把握しつつ、期限に遅れないように提出しましょう。
届出をしない場合の罰則
雇用状況届出では、届出をしない、または虚偽の届出をした場合は罰則規定があります。不備があった場合には行政庁から質問がありますが、これに虚偽の回答をしたり、検査を妨害したりした場合も同様です(根拠法:雇用対策法第40条)。要するに逆らったらすべて罰則です。
罰則の内容
30万円以下の罰金が科されます。
実務上のリスク
もっとこわいのはこちらです。30万円というと、企業からすると大したお金ではないかもしれませんが、そのあと起こることが大変です。
まず、雇用状況届出に不備があるとハローワークから指導・是正勧告があります。悪質な場合は公表されてしまう恐れがあります。さらに今後、在留資格の更新または変更をしようとするとき、不利に働く可能性があります。外国人雇用の管理が甘い会社だと思われてしまうと、あとあと厄介です。くれぐれも罰則の対象にならないようにしましょう。
実務で押さえるべきポイント
外国人雇用状況届出をするときは、以下の2点を厳守するようにしましょう。
在留カード確認とセットで行う
採用時には必ず在留カードを見せてもらい、先述の「在留カード情報の確認ポイント」と照らし合わせることをセットで行うようにしましょう。ここが間違うと届出できないというより、そもそも雇用できません。
社内フローの整備
属人性を排除し、誰でも届出ができるようにフローを整備しましょう。チェックリスト化して項目に漏れがないようにする、総務・人事で期限管理する、雇用保険手続きと連動させるなどの対策が有効です。
外国人雇用で迷ったら?行政書士に相談すべきケース
外国人雇用をするとき、在留資格と業務内容が適合するか、判断に迷う場合があります。複数の在留資格が混在し、把握が難しいこともあります。特に初めて外国人を雇用する場合はなおさらです。不安な場合は行政書士など専門家への相談も検討しましょう。



