留学生アルバイトの28時間ルールとは?企業が知るべき入管法の注意点
- Apr 14
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飲食店などで外国人アルバイトを雇う場合、留学生を雇うことが一般的です。若くて元気はつらつの外国人留学生は、職場の雰囲気を明るくしてくれますね。しかし留学生をアルバイトとして雇う場合はルールがあります。これに違反して雇ってしまった場合は、不法行為となり罰則の対象となるので注意が必要です。この記事では、留学生アルバイトを雇う際の28時間ルールについて解説します。
外国人雇用の手続きについては「外国人雇用の手続き完全ガイド|採用前から就労開始後まで企業がやること」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
留学生はアルバイトできる?
そもそもの話から。留学生はアルバイトできるのか?という話です。アルバイトは可能です。ただし条件があります。
在留資格「留学」は原則就労不可
日本に中長期で滞在する外国人には、その目的に応じて在留資格が付与されています。留学が目的で在留しているのなら在留資格は「留学」です。在留資格が「留学」の場合、原則として就労することができませんが、条件付きで可能です。「留学」とみなされる学校には、日本語学校、大学・大学院、専門学校があります。アルバイトをしている留学生の多くは日本語学校の生徒です。高校生は在留資格が「留学」ではなく「家族滞在」のケースが多いです。例えば親が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で来日し、子どもが高校に通っているような場合です。家族滞在の場合も留学と同じく、条件付きでアルバイトは可能です。
資格外活動許可があればアルバイト可能
その条件というのが「資格外活動許可」です。これは、週28時間以内であれば働くことができますよという許可です。資格外活動許可がない留学生は働くことができませんので要注意です。資格外活動許可の有無は在留カードに記載されています。
在留カードについては「外国人雇用で必ず確認!在留カードの見方と就労制限のチェックポイント」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
留学生アルバイトの「28時間ルールとは」
週28時間以内という就労制限
資格外活動許可がある留学生は、週28時間以内であればアルバイトをすることができます。学生は勉学を行うために来日しているので、その本分を全うできるように、就業時間を制限しましょうということです。日本人でも、アルバイトのしすぎで単位が取れなくて大学を中退してしまう、なんて話を聞いたりしますが、そういうことがないようにという配慮です。
複数のアルバイトをしている場合の考え方
留学生が複数のアルバイトをしているときは、すべてのアルバイトの時間を合算して28時間以内に収めるように調整します。自分の店で働いている時間だけではなく、他の店で働いている時間も把握しておかないといけないので、経営者としてはちょっと大変かもしれません。大変というか、違法であり懲罰の対象となってしまう可能性があるので、よくよく注意しておかなければいけない点です。
長期休暇中は週40時間まで働ける
学校が長期休暇にある期間は、いつもよりもたくさん働けます。具体的には1日8時間まで労働可能です。これはかなり助かるのではないでしょうか。特に、飲食店にとってかき入れ時となる、年末年始に長く働けるというのは嬉しいです。ただし、留学生も労働基準法の対象に含まれるため、週40時間以上は働くことができません。
企業が注意すべきポイント
不法就労助長罪にならないために、企業が注意すべき点は以下の2つです。
28時間を超えて働かせると不法就労になる
28時間を超えて働かせると、不法就労になってしまうおそれがあります。これを超えないように注意しましょう。
他のアルバイト時間も含めて確認が必要
自分の店でのアルバイト時間が28時間を超えていないからと言って、他のアルバイト先で猛烈に働いていたら28時間を超えてしまう可能性は十分にあります。これを避けるために、すべてのアルバイト先での労働時間を把握すべきです。
深夜業務や風俗営業は認められていない
資格外活動許可があるからといって、どのような業務にも就けるわけではありません。以下の業務は資格外活動許可があっても禁止されています。
・風俗営業(バーやスナックなど)
・店舗型性風俗特殊営業(ソープランドなど)
・無店舗型性風俗特殊営業(デリヘルなど)
・特定遊興飲食店営業(キャバクラなど)
・店舗型電話異性照会営業(テレクラ)
・無店舗型電話異性照会営業(伝言ダイヤル形式のテレクラなど)
・映像送信型性風俗特殊営業(有料のアダルトサイトなど)
風俗営業については、パチンコ店やゲームセンターでのアルバイトも含まれているので注意が必要です。
不正就労助長罪については「不法就労助長罪とは?企業がやりがちなミスと外国人雇用で確認すべきポイント」でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
企業が採用時に確認すべきこと
企業が外国人留学生をアルバイトで雇用するとき注意しておきたいのが在留カードの確認(在留資格、資格外活動許可の有無)と、他のアルバイトの状況です。在留カードについては見せてもらえばすぐわかりますが、他のアルバイトの状況は追跡する必要があるので詳述します。
シフト管理で週の労働時間を把握する
基本の基本。シフト作成の段階で週の労働時間を把握します。
例えば、
・1日4時間×週5日
・1日5時間×週4日
など、週28時間を超えないシフトをあらかじめ組んでおけば、超過してしまうことはありません。
他のアルバイトの有無を確認する
留学生は他のアルバイトをかけもちしていることも少なくありません。この場合、すべての労働時間の合計が28時間以内になっていないといけません。採用時には、以下の点を確認するようにしましょう。
・他のアルバイトをしているか
・週何時間働いているか
必要に応じて、申告書を提出してもらうと良いでしょう。これは不法就労助長罪の対象となってしまうのを避けるために重要です。不法就労助長罪は知らなくて犯してしまっても罪に問われてしまうおそろしい犯罪ですが、過失がなければ罪に問われることはありません。申告書があれば、過失がないことの証明になります。
労働時間を記録する
実際の労働時間を記録します。シフトを組んでも、残業やシフト変更で28時間を超えてしまう恐れがあるからです。
例えば、
・タイムカード
・勤怠管理システム
・出勤簿
などで、実際の労働時間を把握しましょう。
特別休暇の特例に注意する
留学生は、学校の長期休暇中に限り、週に40時間まで働くことが認められています。年末年始のかきいれ時に長く働いてもらえるのは嬉しいですね。ただし、雇用主は、その期間が学校の正式な長期休暇であること、その休暇期間を把握しておく必要があります。それには以下の方法があります。
学校のスケジュールを確認する
日本人学校や大学の公式サイトには、夏休み、冬休み、春休みなどの学年歴(Academic Calendar)が掲載されていることが多いです。ここで長期休暇の期間を確認しましょう。
本人に休暇期間を申告してもらう
さらに、本人に申告してもらうと良いです。
・学校の長期休暇は何日から何日までか
・その期間中のみ長時間勤務する
といった内容で、本人に申告書を書いてもらいます。申告書があれば、過失がないとして不法就労助長罪を避けられる可能性があります。自分で学校の公式サイトを確認しただけでは何の証拠にもなりませんので、きちんと記録に残しておくことが大事です。
外国人雇用に不安がある場合は専門家に相談を
留学生をアルバイトとして雇用する場合、在留資格が留学であること、資格外活動許可があること、週28時間以内に収めることなど、入管法のルールを理解しておくことが大切です。これらの確認を怠ると不法就労助長罪に問われるおそれがあります。外国人雇用の手続きやルールに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することも検討しましょう。


